INTRODUCTION イントロダクション

ビジネスの成功で財を成した老婦人のハリエットは何不自由なく暮らしていたが、80代に入ってからは孤独と死への不安を感じていた。そんなある日、新聞の訃報記事を目にしたハリエットは、自身の訃報記事を生前に執筆することを思いつき、地元の若い新聞記者であるアンへ依頼することに。アンは仕方なく周囲への取材を始めるが、疎遠になっていた家族だけでなく、かつての仕事仲間から地元の牧師まで、ハリエットのことを良く言う者は誰一人としていなかった。

その後、理想とかけ離れた原稿を読んだハリエットは、“最高の訃報記事”に欠かせない4つの条件を満たすため、自分を変えることを決意。その要素とは、家族や友人に愛されること、同僚から尊敬されること、誰かの人生に影響を与えるような人物であること、そして記事の見出しになるような人々の記憶に残る特別な何かをやり遂げることだった。そこで、まず地域のコミュニティセンターを訪ねたハリエットとアンは、9歳のやんちゃな少女ブレンダと出会い、親交を深めることとなる。

そして、ハリエットが次に向かった先は、なんと地元のラジオ局。子供の頃からラジオと音楽を愛していたハリエットは、長年コレクションしていたレコードを持参し、自分をDJとして採用するように直談判する。そこで81歳にしてラジオDJデビューを成し遂げ、独自の経験でしか手に入れられない、人々の記憶に残る条件をクリアするのだった。

4つの条件のうち、難題と思われていたのは何十年も連絡を取っていない娘との和解。そこで、ハリエットとアンとブレンダの3人は娘の暮らす町まで一緒に旅に出ることに。久しぶりの再会に気まずい空気が流れるものの、娘が幸せに暮らしていることを知ったハリエットは「自分はいい母親だった」と満足し、目的を果たす。

楽しい旅の余韻に浸りたいハリエットだったが、医師から余命わずかであることを告げられ、訃報記事を書き直して欲しいとアンにお願いする。何事にも強気なハリエットと一歩を踏み出す勇気のないアン。正反対の2人はぶつかってばかりいたが、いつしか世代を超えた友情が芽生え始めていた。そして、人知れず悩みを抱えていたアンの気持ちにも少しずつ変化が起きることに。

ついにハリエットは、4つの条件をやり遂げ、アンとブレンダとともにダンスを楽しみながら、自宅で至福の時間を過ごしていた。しかし、別れのときはすぐそこまで来ていたのだった……。